江戸時代、時代の転換期に富貴を求めることなく、心豊かに生きたという歌人、橘 曙覧(たちばなあけみ)。「たのしみは」ではじまる一連の短歌が収められた『独楽吟』は、現代の不安を抱く人たちの彷徨う心を癒す力があるとして知られてるそうです。たしかに眺めているだけで気持ちが和む歌は多くあり、数えて52首あるのですが、つまり週に一首たしなめば、一年たのしく過ごせたりして。五つほど抜粋してみます。あなたはどれが好きかしら。今日もいちりんあなたにどうぞ。たのしみは物識人(ものしりびと)に稀にあひて古(いに)しへ今を語りあふときたのしみはとぼしきまゝに人集め酒飲め物を食へといふ時 たのしみは草のいほりの筵(むしろ)敷(しき)ひとりこゝろを靜めをるとき

たのしみはすびつのもとにうち倒れゆすり起(おこ)すも知らで寝し時たのしみは朝おきいでゝ昨日まで無(なか)りし花の咲ける見る時『獨樂吟』橘  曙覧オオイヌノフグリ 花言葉「信頼」

江戸時代、時代の転換期に富貴を求めることなく、心豊かに生きたという歌人、橘 曙覧(たちばなあけみ)。「たのしみは」ではじまる一連の短歌が収められた『独楽吟』は、現代の不安を抱く人たちの彷徨う心を癒す力があるとして知られて...