一月の梅にはじまり三月桜までは、次々に花が咲くたび「春よこい」「春がきた」と嬉々に感じたものでした。その後の八重桜、ハナミズキ、ツツジ、藤までくると、開花のたびに「春がゆく」と憂い感じたもので、あれもひとつの春愁と言えるのでしょう。まもなく迎える五月は、晩春と初夏が行き交う天気が続くことから「二季の交差点」というそうです。今はまだ四月ですが、そうと聞くとこの頃の暮れそうで暮れない夕暮れも、なんだか春惜しむ人の愁いが行き戻りする、交差点のようにも思えます。今日もいちりんあなたにどうぞ。春愁や葉ごもり椿ひそと落つ -日野草城ツバキ 花言葉「謙虚」

一月の梅にはじまり三月桜までは、次々に花が咲くたび「春よこい」「春がきた」と嬉々に感じたものでした。その後の八重桜、ハナミズキ、ツツジ、藤までくると、開花のたびに「春がゆく」と憂い感じたもので、あれもひとつの春愁と言える...