山のあなたの空遠く

20150715142854-146f91a814b43eba18f355e27f7b828e987368d0.jpg サルスベリ 花言葉「あなたを信じる」

稀代の万葉学者である中西進氏の著書の中に「さいわい」という言葉にふれた一節があります。

「さいわい」の古語は「さきわい」で、この「さき」のもとは花が咲くの「さく」だといい、更にこの言葉をひもとくと、古く日本人は、花が咲き満ちた状態を目に浮かべて、それを「さいわい」と表現し、これが古来、日本人の幸福観の証だったと書かれています。

いわく「心の中に、いっぱいの花が咲きあふれているように感じること」が、古代の日本人にとっては「幸福」だったと。私たちにとって「幸福」「さいわい」とはなんでしょうか。

山のあなた カール・ブッセ 上田敏訳 『海潮音』より

山のあなたの空遠く 幸(さいわい)住むと人のいふ。
ああ、われひとと尋(と)めゆきて、涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く 幸(さいはひ)住むと人のいふ。

「Über den Bergen」 Karl Busse

Über den Bergen weit zu wandern
Sagen die Leute, wohnt das Glück.      
Ach, und ich ging im Schwarme der andern, 
kam mit verweinten Augen zurück.
Über den Bergen weti weti drüben,
Sagen die Leute, wohnt das Glück.

夏は風に吹かれて

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デュランタ 花言葉「あなたを見守る」
雨が上がったとたん、夏が漲りはじめました。春は爛漫、秋は蕭条、冬は沈黙。何もかもが盛んな夏ですが、あまり得意な時季でないので、どうも持て余してしまって。はじまれば長い、おわれば短いと、毎年同じことを思って、気持ちを連れていかれて、凌いで、それもまた思い出になって。初々しい南風がほほを触っていきました。夏は風に吹かれて。

晴れました

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ランタナ 花言葉「確かな計画性」
いよいよ雨は飽きた。なんて声が、天にも届いたかしら、やっ~と晴れた東京です^_^ それにしてもよく降りました。たしか6月の、夏の到来を思わす空いっぱいの夕焼け、あれに見惚れたのが遠い昔の空に思えるほどに。台風もきているというし、暑し涼しの気まぐれなお天気は、まだまだ続きそう。でも雨に洗われて、きらきらと滴をこぼすのを目にすると、まるですべてのものが、生き返ったようにも見えて、これも恵みと思うのです。
過去から学び、今日のために生き、未来に希望を持て。
Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow.

六日の雨は洗車雨

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アサガオ 花言葉「はかない恋」

東京は今日も雨。七月七日に降る雨は催涙雨(さいるいう)といいます。この雨で天の川が荒れてしまい、織姫星と彦星の逢瀬が叶わなくなったことを悲しむ涙の雨、という説もあれば、ようやく逢えた二人が、また一年後まで離れることを悲しむ、惜別の涙雨とも。ちなみに今日、六日の雨は、彦星が織姫星にあうために使う牛車を洗う水になぞらえて「洗車雨」というそう。東京は今日から入谷朝顔市がはじまります。七夕に花を咲かせた朝顔は、ふたりが年に一度出逢えたことを意味する花とした縁起ものなんですって。ふたりの逢瀬、叶うかしら。かないますように。

一年(ひととせ)に 七日(なぬか)の夜のみ 逢ふ人の
恋も過ぎねば 夜は更けゆくも 柿本人麻呂

七月も旅

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ブーゲンビリア 花言葉「あなたしか見えない」

ざんざ降りの一日があけ土曜日。雨季のせいもあれど、七月は、ここまで走り抜けた疲れが、ずんと背中からおしつけてくる月。そのおかげで、ずいぶん萎えた心身に気がつき、思いやり、労い、どこかよい場所に身を置いてやりたくなります。あの日のあそこはよかった、あれは秋だった、夏ならどうだろう、花咲くは今頃何か。心ゆくまでゆっくりそこにいてもいい、そんな場所へ、また季節を拾いにいきたい。七月もまた、旅に出たくなるひと月のようです。

幸せとは旅の仕方であって、行き先のことではない。
Happiness is a way of travel, not a destination.

七月はふみひらく

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ヤマボウシ 花言葉「友情」
七月はふみひらく。七夕の行事になぞらえて、お互いの無事を確かめるために、お便りや贈り物をして気持ちを伝えあう月です。ひとの手紙をのぞく趣味は持ちあわせていませんが、文豪が残した書簡、こと恋文には、当人達のグラデーションある情感と、心のひだを視るよな微細な表現に、しばし心酔したりなどして。いいのです。七月は文月。募るばかりをしたためるなら、このひと月に。
東京が恋しくなると云ふのは、
東京の町が恋しくなるばかりではありません。
東京にゐる人も恋しくなるのです。
さう云う時に、僕は時々文ちゃんの事を思ひ出します。
芥川龍之介


東京は今朝からちらちら、粉雪が舞いました。花びらよりも頼りなく、風に舞い散るそれをみて、昔の人は「六つ花」といい、その雪片を「風花」と称し、また香りのないそれを「不香花」と記しました。
空からおりてきた授かりものを「花」とたとえた日本人の感性とは、なんて耽美なのでしょう。御雪、雪花、銀の華。雪の異称にもいろいろありますが、どれも風情あり、知るほどにうれしくなります。
とはいえ北国に行けば、白さにみる清浄もご風流も通り越し、不便ばかりを強いる雪ですから、こんな心弾む、なんて言ったら笑われてしまうかもしれません。でもそんな雪がもたらす不自由も、あの冷たさの底には潤いがあり、喜びがまっていると思えば、あと少しならばと、じっと待ってみようと思うのです。
どんなに冷たくとも、寂しさを含んでいても、冬の空から降るものは、みんなみんないいのです。1月21日、大寒すぎて今日は雪。あいたいひとに、逢いたくなりました。
雪は天から送られた手紙である『雪』中谷宇吉郎
アマリリス 花言葉「誇り」

アルストロメリア 花言葉「未来への憧れ」


赤は日本最古の色のひとつであり、血や生命、躍動をあらわす象徴色です。人類共通の普遍性を持つ色であり、多くの言語において赤は「血」か「火」の色、どちらかの言葉から派生しています。魔よけの意味合いも強く、日本では特にハレの場面において最も多く使用される色でしょう。歌舞伎の赤い隈取りは、正義・情熱の持ち主であることを示すといいます。
日本の古色である緋色(ひいろ)は、日・火をあらわす赤に同じで、別称 思色(おもいいろ)とも。「道徳的なことばかり言ってる貴方、こんな私に触れもしないなんて寂しくないの?」こんな挑戦的な恋心も、恋する女にたぎる熱い血汐も、きっと鮮やかな緋の赤、思ひ色。与謝野晶子はすばらしい。
やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君
アルストロメリア 花言葉「未来への憧れ」

カーネーション 花言葉「純粋な愛情」


「而今の山水は古佛の道現成なり(今ここ自然界にある山や水こそ、過去・現在・未来また主観・客観という対立も超え、仏法をとく真理そのもの)」
これは道元禅師の残した山水経にある言葉です。而今(にこん)とは「今このとき」の意味がありカメラの「Nikon」はこの意をとったダブルミーニングとも。
今このときこの瞬間を、のがさず向き合い大切に。過ごしたいですね^_^ Now and Here.

カーネーション 花言葉「純粋な愛情」

スイセン 花言葉「心づかい」


高知にきています。高知といえば日本の植物分類学の父、牧野富太郎の出身地。ということで、かねてより訪れたかった県立牧野植物園を訪ねました。花の少ないこの時期、出迎えてくれたのは、きれいなスイセンの花。その姿はまるで「おーい」と春を呼んでるようにみえました。
そしてこの季節に見る日本水仙は、美智子皇后のお姿を思い出させますね。阪神淡路大震災から20年。つつしんで黙とうをささげます。
スイセン 花言葉「心づかい」