忘れゆくぬ この日に

その戦争は1941年12月8日に始まり、1945年8月15日に終わりました。 . 赤い夕陽を野を焼く火に重ね、野の花は食べるために引き抜き、空襲におびえる心を照らす、月の光さえも憎かった。 . その時代、眼に映るものを美...

変わらない美しさとは

かつて日本が極限まで疲弊していた時代、ひとは、これからはより人間が大切にされる世の中になるように、豊かさや美しさを求め奔走しました。いま私達にとって美しさの基準はひとつでなく、心の数だけ千態万様ですが、もし時代も国も性別...

OZUに見る美しさへのこだわり

秋になると久々に小津安二郎の映画もいいなと思うことがあります。代名詞ともいえるカメラのローポジション、徹底した構成美、独特のセリフ回しなど、今なお語り継がれる小津スタイルですが「美しさへのこだわり」こそ小津たるやではない...

凌霄は妻恋ふ真昼のシャンデリヤ

凌霄は妻恋ふ真昼のシャンデリヤ 中村草田男 ノースリーブの肩を秋の風がさわってゆきました。花火も終わって、処暑もすぎて、少しずつ心もなりも、秋に向かってあらためていく頃です。夏のしまいに咲き誇るノウゼンカズラの花。「凌霄...

赤バラの葉 「あなたの幸せを祈る」

夏の終わりはしまりがない。だらだらとした残暑が、いつまでも悪ふざけをしている感もあり、いよいよ嫌であります。今年はとかく雨の多い夏でした。各地から届く大地の悲鳴に、とても心は穏やかでいられずのきょうびです。皆さまのお近く...

道路掃除夫ベッポの教え

エンデの『モモ』に登場するは、いつも黙って笑うばかり。人に何を聞かれてもニコニコするだけで、返事もせず考えてばかりの誰から見ても奇妙なおじさんです。子供たちにからかわれ、大人たちに笑われる、そんなベッポを変とも思わず、ず...

ビヨウヤナギ 花言葉「多感」

先日とあるお店のレジで「よかったらどうぞ」と頂いた一束の線香花火。細やかな心づかいと、懐かしさに、おもわず嬉しくなりました。 調べてみると、線香花火には4つの段階があって、それぞれに牡丹(玉)松葉(玉に火花)柳(火花の終...