年年歳歳花相似たり

年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず . 唐の詩人 劉廷芝の詩です。 . 毎年毎年、花は同じ場所で咲くけれど、毎年毎年、人はこの世を去っていく。自然はかわらず繰り返されるのに対して、人の命とはなんとも儚いものだね、と...

紫陽花

  与謝野晶子の歌集「落花抄」には花だけを詠んだ歌が100載っています。春夏秋冬、四季をおって花ごとに、その合間に花についての随筆があり、巴里での東京での草花への愛着が垣間見れてうれしくなります。 . そのなかで「がくの...

紫陽花

文学作品の中に植物の登場を見つけると、ほかのどんな名文句を見つけた時より、胸が高鳴りときめくのが自分でわかります。 . その季節の目に入った群生や、華やぎ移ろい朽ちる様が、彼らにはこんな風に映ったのかと、その心象に感じ入...

ある人には雑草に、ある人には希望に

足元に咲いた無数の白花が、五月の終いを告げています。ドクダミの花です。毒をとめるからドクダミ、十の効能があるから十薬との名もあります。 . この花をいったわけではないけれど、ある人には雑草に、ある人には希望にって、ほんと...

人を育てる江戸の知恵

江戸時代、丁稚小僧を立派な商人に育てるための方針として、こんな言葉がありました。 . 心の豊かさは三歳までに教えなさい。 しつけは六歳までに。ことば使いは九歳、 文章は十二歳には書けるようにし、 世の中の道理は十五歳まで...

枇杷

見上げると枇杷の実がなっていました。花は十一月ごろに咲くそうです。小さい頃に、近所でなって落ちていたのを、傷のないのを、掌にそっとつつんで、大事に持ち帰ったことがありました。なあんだ枇杷かと笑われましたが、おかげで、その...

苧環

この花みるとまた思う。しずよ静よと、繰り返し私の名を呼んでくださった、あの昔のように、あなたと過ごしたときめく時を、今また共にしたい。今日もいちりんあなたにどうぞ。 . しづやしづ しづのをだまき 繰りかへし 昔を今に ...

初夏雑感

ひどく降った雨から一転、真っ赤に染まった日本列島を眼にしては、むかえる長い夏への不安がよぎります。 かつては四季を忘れぬ花をみて「咲く花時を違えず」なんていい、今よりもっと明確に、草木をたよりに四季の訪れを感じたものでし...

小欲千足

奪いあえば足らぬし、分けあえば余る常。 . 少欲知足は小欲千足、なんてね。 今日もいちりんあなたにどうぞ。 . 「さようなら」をしても、落胆することはない。別れがあるから、また会うことができるのだから。 Don’t be...