「秋の歌」( 原題:Chanson d’automne)

「秋の歌」( 原題:Chanson d’automne)は、フランスの詩人ポール・ヴェルレーヌの詩。日本では上田敏が「落葉」と題して訳した詩のほか、堀口大学・金子光晴の訳でも知られます。「秋の日の ヰ゛オロンの ためいきの…」という出だしで知られる上田訳は、どの訳よりも日本語の響きを大切にしてることが感じとれ、それはまるで絵画のように色帯びて、音が鳴り、踏みしめる落ち葉が匂いたつのも目に映るような美しい詩です。が今日はあえて金子訳を。今日もいちりんあなたにどうぞ。…秋の唄ポ-ル・ヴェルレーヌ(金子光晴訳)秋のヴィオロンがいつまでもすすりあげてる身のおきどころのないさびしい僕には、ひしひしこたえるよ。鐘が鳴っている息も止まる程はっとして、顔蒼ざめて、僕は、おもいだすむかしの日のこと。すると止途もない涙だ。つらい風が僕をさらって、落葉を追っかけるように、あっちへ、こっちへ、翻弄するがままなのだ。…イチョウ 花言葉「鎮魂」

「秋の歌」( 原題:Chanson d’automne)は、フランスの詩人ポール・ヴェルレーヌの詩。日本では上田敏が「落葉」と題して訳した詩のほか、堀口大学・金子光晴の訳でも知られます。「秋の日の ヰ゛オロンの ためいきの…」という出だしで知られる上田訳は、どの訳よりも日本語の響きを大切にしてることが感じとれ、それはまるで絵画のように色帯びて、音が鳴り、踏みしめる落ち葉が匂いたつのも目に映るような美しい詩です。

が今日はあえて金子訳を。今日もいちりんあなたにどうぞ。


秋の唄
ポ-ル・ヴェルレーヌ(金子光晴訳)

秋のヴィオロンがいつまでもすすりあげてる
身のおきどころのないさびしい僕には、ひしひしこたえるよ。
鐘が鳴っている息も止まる程はっとして、顔蒼ざめて、
僕は、おもいだすむかしの日のこと。すると止途もない涙だ。
つらい風が僕をさらって、落葉を追っかけるように、
あっちへ、こっちへ、翻弄するがままなのだ。

イチョウ 花言葉「鎮魂」