紫式部 花言葉「愛され上手」

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めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に雲隠れにし夜半の月かげ

花の名の由来は、平安時代の女性作家『源氏物語』で知られる紫式部その人にあるとされているこの花。金木犀のオレンジ色と共に秋の風物詩と言えるでしょう。この花を見ると、いよいよ夏のシッポも見えなくなる所へ来たのだなと思います。
紫という色は、とくに平安時代から近代にかけて最も女性に愛された色とされ、平安時代の『栄華物語』(作者不詳の歴史物語)にも記された、日本の伝統色です。菫、藤、竜胆など、四季折々にも欠かせない彩りを放ちます。
以前にも触れましたが、もとは『古今和歌集』の「紫の一本(ひともと)ゆえに武蔵野の 草はみながら あはれとぞみる」という歌に紫とよばれる縁(ゆかり)があります。この歌の一本の紫草にたとえられた女性をして、「その女性に縁のあるものは何でも愛おしい」という意味があり、故に女性の美しさを象徴するのに最もたる色、と伝承されてきました。
いつも通る道に咲くこのムラサキシキブ、今年は8月のお盆を過ぎたあたりから、ふつふつと実を筋になして、色をつけ、今満開です。「美しさ」は過去に宿ると聞きました。ゆかりある花の名をし通して、このひとつぶひとつぶに昔から今に至るまでの道のりを思います。 美しい花ですね。さあ、いよいよ色めく秋一斉。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ムラサキシキブ 花言葉「愛され上手」