桔梗色の空の下

FA071_L.jpg

宮澤賢治の作品には「桔梗色」という表現が多くでてきます。自然の風景と心の情景が浸透しあい、まばゆい光と天藍の夜の描写が何より印象的な賢治の世界。夜空をイメージさせる色に桔梗色の空とは、なんて美しくて幻想的なのでしょう。

「夜があけかゝり、その桔梗色の薄明の中で」まなづるとダァリヤ
「またその桔梗いろの冷たい天盤には」
「その冷たい桔梗色の底光りする空間を」インドラの網
「桔梗いろの天球には、いちめんの星座がまたたきました水仙月の四日


「美しい美しい桔梗いろのがらんとした空の下」
                銀河鉄道の夜

短夜。大切な人と、吸い込まれんばかりの天球を見上げてみませんか。この夏、桔梗色の思い出に。