永遠の象徴

EN128_L.jpg始まりがなく、終わりもない~無限のかたち
輪・環・リース・クランツ・サークル・リング。このリースの閉された環のかたちは、歳月の循環や太陽の動きに喩えられ、キリスト教においては「復活・新たな生に対する希望」という意味がこめられています。今日でも海外では、死者への敬意を表す「花輪」として葬儀やお墓にリースを供えたり捧げられています。

リースのこの「環」のデザイン、時代ごと人々の精神や流行に合わせて変化をしてきたものの、どの時代にも共通してるのは、頭に乗せる場合、それは主に栄誉を讃える場面で使われてきたということです。
エジプトでは客人を招いたときの歓迎の意を表す贈り物として、古代ギリシャでは詩人、作家、思想家の優れた業績・栄誉を讃えるために、あるいは戦の勝者や英雄をたたえる際に使われました。ギリシャ神話で 太陽の神アポロンの頭上に輝くのは月桂樹のリース。月桂樹は栄光のシンボルとされています。

中世期になると、このリースが形を変え「冠」となり貴族が着けるようになり、その後、農民階級の間でも伝統行事や結婚式で使われるようになります。結婚式では愛のシンボルである薔薇と、純潔のシンボルギンバイカで作られました。

花の装飾とは、本来どの時代においても、その目的に合わせ、花に色に形に意味を込め用いられてきました。人々はその植物の力を借りて邪気を払い、祈りを捧げ、幸せを願ってきたのです。

リースには永遠の幸せを、バラは愛の主張を、月桂樹は栄誉への讃美を、そして消えることのない愛情を。

 ゲッケイジュを手渡しておくれ、
 息子の額のここ辺りにその花輪を結びましょう、
 稲妻から私の坊やを守ってくれるでしょうから。 
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