東京は今朝からちらちら、粉雪が舞いました。花びらよりも頼りなく、風に舞い散るそれをみて、昔の人は「六つ花」といい、その雪片を「風花」と称し、また香りのないそれを「不香花」と記しました。
空からおりてきた授かりものを「花」とたとえた日本人の感性とは、なんて耽美なのでしょう。御雪、雪花、銀の華。雪の異称にもいろいろありますが、どれも風情あり、知るほどにうれしくなります。
とはいえ北国に行けば、白さにみる清浄もご風流も通り越し、不便ばかりを強いる雪ですから、こんな心弾む、なんて言ったら笑われてしまうかもしれません。でもそんな雪がもたらす不自由も、あの冷たさの底には潤いがあり、喜びがまっていると思えば、あと少しならばと、じっと待ってみようと思うのです。
どんなに冷たくとも、寂しさを含んでいても、冬の空から降るものは、みんなみんないいのです。1月21日、大寒すぎて今日は雪。あいたいひとに、逢いたくなりました。
雪は天から送られた手紙である『雪』中谷宇吉郎
アマリリス 花言葉「誇り」