あなたを想像する

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「本日、お花を贈る祖母の兄弟が亡くなりました。・・・このような状況でも失礼がないようなお色、でも誕生日のお祝いのアレンジをお願いできますでしょうか。」
日々、お祝いに限らず、お悔やみのお花も多くご注文頂いておりますが、このところ、お花の目的は「お祝い」だけど、届先の状況が「忌中」というケースが少なくありません。また、そのようなご相談もお受けすることが増えてきました。
「祖母へのお祝いなのに、急な訃報がこのタイミングで重なってしまった、こんな時どうしたらいい?」「兄の誕生日に花を贈る予定が、家族が急死してしまった。花を贈ってる場合だろうか」「毎年友人のお誕生日にお花を贈っていたけど、震災で被災しそれどころじゃない。でも、こんなときこそ花を贈りたい、どうしたらいいの?」
「結婚記念日を前に、お子さんが亡くなってしまった、どちらに対して花を贈ればいいの?」「猫に送ってはいけない花ってありますか?」「死産した赤ちゃんには何を贈ればいいの?誰に充てて?」
実際は、更にセンシティブで、もっとデリケートな状況の中、お届けする花もあります。これはちょっと難しい・・・・と、最後まで緊張が解けないようなケースもあります。社内から「断る?」という意見が上がることもあります。でもそれが「お客様にとっての最善ならね」と応えます。
とりあえずは一度受け止めた後に「何が最善」で「何が優先」で「何が最適」なのかを考える。それで出来ない、と判断すれば「できない理由」をお伝えする。そんな順序です。時にはお客様とお電話で、10分以上お話させていただくこともあります。でもいつも思うのです。そして必ずお聞きします。
「あなたならどう思いますか?」「いまどんな気持ちですか?」
そもそもは、ご自分で答えが見つからずに、電話をかけて下さったわけなのですが、ゆっくりと心に絡まった糸を解きほぐしていくと、実はもう「一つの答え」があります。そしてまもなくして、「もしわたしならこう思う」「もし自分だったら・・・」と皆様お答えになります。
「もし私がその立場だったら」 この気持ちに導き、そしてその想いを届けたい。真心を届けるって そういうことなんじゃないかなと思うんです。私たちのしごとは既存の「答」を伝えること「そのもの」が全てではないといつも思うのです。この花のむこう側で、いくつもの想いが絡み合っている、そのそれぞれをイメージし、「最適」に結び付けることが私たちのしごとなんじゃないのかなと。そのお手伝いをする黒子でいいんだと、そんなふうに思っています。
通販のしごとは、日々ご注文をうけている「あなた」の顔さえ見えず、知らず、毎日お電話やメールでやり取りしているわけなのですが、でも私の中には いつも「あなた」がいます。「あなた」には会ったことがありません。「あなた」の声も、聞いたことがありません。「あなた」の背格好も、「あなた」の生い立ちも、「あなた」のご家族も、まだよく知りません。
でもいつも、私の中には「あなた」がいます。私たちが あなた を想像します。もしよかったら、いつでもお声掛けください。「いま私たちにだからできること」をいっしょに想像しましょう。(^-^)