呼び名いろいろ曼珠沙華

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お彼岸の時期、あの世とこの世が最も近くなるこの時期に咲くからゆえ「死人花(しびとばな)」とも言われるこの花の植物学上の正式名は「彼岸花」です。「天蓋花(てんがいばな)」なんて言い方もされますね。
「曼珠沙華」とは「天上の花」という意味で、慶事が起こる前触れには、赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典から出たといわれます。お彼岸の頃になると突然に咲き出し、お彼岸が過ぎると、急に消えてしまうその花の様子から、「狐の松明(きつねのたいまつ)」「狐のかんざし」などのちょっと妖しげな呼び名もあります。ちなみにこの花は根・茎・華にも毒があり、古くは堕胎の薬にされてたという話も。
北原白秋の作品に「曼珠沙華」という詩(山田耕作作曲)がありるのをご存知でしょうか。赤い靴、やかごめかごめ同様、解釈を深めるほどに重い名曲と言えるかもしれません。日本にはこのようなちょっとホラーな気色を残した歌曲がいくつかありますよね。何もわからず口ずさんでいた子供時代とは、なんて無邪気だったのでしょう。
Gonshan,Gonshan 何処へゆく 
赤い お墓の曼珠沙華(ひがんばな) 
曼珠沙華 けふも手折りに来たわいな 
Gonshan,Gonshan 何本か 
地には七本 血のやうに 血のやうに丁度 
あの児の年の数
花言葉「再会 悲しい思い出」