桜 岡本かの子

欲望に抗うことなく恋愛に生きた、岡本かの子の奇妙な私生活。近年では小説や舞台にもなりましたので知られるところですが、歌人としては、おんな夏目漱石と評されるほどの天才歌人でした。

かの子の作品に、百三十八首の桜を歌った歌集があります。作られた背景には、中央公論のさくら百首という企画があったそうですが、依頼された百首を、かの子は一週間で作ってしまったのだとか。

「お母さんのそばに近づくものは、お母さんの情熱に焼きつくされずにはいなかった。」息子太郎が誇りといった、その天真爛漫な生き方を、今日は百首の花に重ねます。サクラサクラ、何度でも。今日もいちりんあなたにどうぞ。

桜ばな いのち一ぱいに咲くからに

生命をかけて わが眺めたり -岡本かの子

ソメイヨシノ 花言葉「純潔」