サクラソウ 花言葉「あこがれ」

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この花、なんという名前だろう?そんな「名も知らぬ」花に出会うと、ふと口ずさんでしまう歌があります。美しいこの調べ。ここにお出でになる方の中には、遠くブラジルをはじめ、ヨーロッパ、東南アジア、オーストラリアなど、日本国外にお住まいの方も多いことでしょう。日々お届けするいちりんの花で、皆様の心にある日本の風景、どうぞいつまでもそのまま胸においていただけますように。

そんな願いをこめて贈ります。今日もいちりんあなたにどうぞ。

名も知らぬ遠き島より
流れ寄る椰子の実ひとつ

故郷(ふるさと)の岸を離れて
汝(なれ)はそも波に幾月

もとの樹は生ひや茂れる
枝はなほ影をやなせる

われもまた渚を枕
ひとりみの浮寢の旅ぞ

実をとりて胸にあつれば
あらたなり流離のうれひ

海の日の沈むを見れば
激(たぎ)り落つ異郷の涙

思ひやる八重の汐々(しほじほ)
いづれの日にか国に帰らむ

『椰子の実』島崎藤村