ボタン 花言葉「富貴」

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牡丹花は咲き定まりて 静かなり花の占めたる位置のたしかさ
花びらの匂ひ映りあひ くれなゐの牡丹の奥のかゞよひの濃さ
この室のしづもりみだるものもなく 床の牡丹のほしいまゝに紅き
花になり紅澄める鉢の牡丹 しんとしてをり時ゆくまゝに
床の間のをぐらきに置く鉢の 牡丹白牡丹花は底びかりせり
花びらをひろげて大き牡丹花に 降り出の雨のぢかにぞあたる
牡丹花の大き花びら萼はなれ 低木の下の地に移りたる
低き木の大き牡丹花なくなりて その根の土に花びらぞある
 
木下利玄「牡丹と芥子」より
 
 
牡丹の花は「富貴」の象徴。百花の王と言われます。中国では様々な詩歌にうたわれてきましたし、日本でも着物や陶器、家具などの模様に、好んで使われてきました。「獅子に牡丹」といえば、取り合わせの良いもののたとえ。牡丹の花の下は獅子にとって安住の場所。百獣の王さえも、百花の王には安心して心を許すのです。旬の花は一人占めが楽しい。今日もいちりんあなたにどうぞ。