この花いくら?

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つい先ほど、お客様からお電話をいただきました。その内容は
「以前お届けしてもらったお花、四十九日も過ぎたので、お返しを考えているんだけれど、お花のお値段教えて頂ける?」
というもの。2月にご供花をお届けした先の、受取の方からでした。
さあ、あなたならどう答えます? 
「(ご依頼主も)そのように、お届先様にとってもお気遣いがあることを、さきに案じられて、お決めになられたことと思います。」
花以想では、先ずそうお伝えします(しました) としたうえで、
金額をお知らせるるか否かは、お客様のご状況によりますが、今回はお知らせしました。
実はこのお電話で、お届先のこの奥様が、この電話一本に至るまでの経緯を、15分にわたり、お聞きしていたのですが^^ なるほど、残された家族にとっても悩ましいものですよね。
故人の交友関係まですべて把握していないわけです。そうはいっても、気を抜いて相手に失礼があってはならないし、かといってお花の相場もわからないし、お返しの金額も決まらないし、四十九日がやっと過ぎても、いまもって忙しなし、なのです。それはそれは気遣いも気疲れに思えてならぬご状況。とお察ししました。
この奥様も、亡くなったご主人の遺言で、お香典はお断りしたそうですが、しかしお花は頂くので、お礼もしないといけないし、とその都度、お花屋さんに「これ、おいくらくらいなの?」とお聞きしたのだそう。
でも、どこのお花屋さんも「それは教えられない」とか「依頼主のこともあるから」とか「見た目で判断して」とか、あいまいな返事をするばかりで、とても困ったといいます。
じっさい、このようなご質問のお電話は、件数は少ないですが頂きます。
「え~金額は言わないでよ」と、贈る側にしたら思われるかもしれませんが、思われそうなお客様の時は察して言いませんし、逆に、このようなお電話を頂いてる時点で、お届先には気を遣わせてるので、そちらへの配慮が優先されることもあります。
「私からは教えられない」「お店による」と煙に巻く、中途はんぱな花屋の姿勢が、いちばんいけない。と私は思います。
ちょっと話が違いますが、お客様に「いくらで贈ればいいですか?」と質問されたときに、花屋が儲かるから、20000円と押し付けるのと、その目的に対して、意味をなして20000円をご提案するのでは、全く違う。と私は思ってるのですが、そういうものでしょ?と共感できるかどうかこそ、花屋によるのかなあ、とぼんやり思いました。
さきほども、「でね、近所の花キューピットが持ってきてくれたのにもかかわらず!・・・」という話になり、電話も長くなったのですが^^それは置いておいて。
どちらも立てながら、とはいかなくとも、頑なに「それは教えられない」という姿勢も、いかがなものかな、と。お客様のためを思って、適切なご提案だとするならなおのこと、「なぜなら」の理由づけを返してあげないと、お客様は「そうか」とも「なるほど」とも思えないんじゃないのかなと思うのです。が。
と、先ほども、お電話いただいた奥様にお伝えしました。この方は、とりあえず金額がわかったことで、お返しにするかお手紙にするか、やっと決められますと仰っていたので、よかったかなと受け止めています。
ご依頼主にはご依頼主なりの、頂いた側には頂く側なりの、気遣いはあるもの。
どちらにも心をくばるのが 花屋のしごと。
花を贈るって、そういうものです。