大好きなシーズン~アドベントのこと

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今年初めてのアドベントリースです。アドベントとはおもにカソリックの信仰が強いヨーロッパの地域において、イエス・キリストの降誕を待ち望む期間のことをいいます。日本語では待降節(たいこうせつ)または降臨節(こうりんせつ)ともよびます。

最近ではアドベントカレンダーをよく目にするようになりましたよね。これはクリスマスまでのアドベントの期間に窓を毎日ひとつずつ開けていくカレンダーで、一般的には12/1から始まって24個の窓がついていることが多いようです。窓を開けると中にお菓子が入っていたりなど、子供心をくすぐる仕掛けがあったり、この季節のプレゼントとしても定番になってきたようです。

 
さてこのリースのシンボリックなかたちは、植物に関わる仕事をしていても、とくに好きなデザインなのですが、なかでもクリスマスの前に飾る、4本のキャンドルを立てたアドベントリースは思い入れも特別なものがあり、クリスマスまでの4週間、いつ眺めても心おだやかに神聖な気持ちになります。

 
さて、この時期に飾るリースには主に常緑樹をつかいます。常緑樹の緑は「生命力」の象徴であり「希望」を意味し、また悪霊よけとしても使用されてきました。またキャンドルの灯りは、寒い冬に明るさと暖かさをもたらす「光」の象徴であり、そこには平和への願いが込められています。
 
アドベントリースに立てる4本のろうそくは、クリスマスを迎えるまでの4回の日曜日毎に1本づつ火をともしていきます。4回目の日曜日、4本のキャンドルに火が灯されればいよいよクリスマスの到来です。
 
現代では毎年の流行に沿って、様々な色やデザインのクリスマスリースやオーナメントが街中を賑やかに彩りますが、それらはどちらかといえば、アメリカやイギリスのお祭り的な要素が強いですね。
 
それらに比べると、ヨーロッパとくにドイツのアドベントリースはやや地味な印象ですが、それでもこの厳格かつ伝統的なリースこそ、私にとってのクリスマスリースなのです。
 
私自身、カソリックの信仰はないのですが、通った幼稚園が小さな教会に併設されていたこともあり、幼いころから聖書や賛美歌には慣れ親しんで育ちました。当時は意味も解らず聖書の一節を毎朝おともだちと暗唱し、こども讃美歌を歌い、クリスマスには先生から、イエスキリストのお生まれになる背景を、やさしく物語にして教えられたものでした。そして三つ子の魂百まで、とはそうで、いまだにあのころの光景はあたたかく楽しい思い出としてまぶたの奥に残っており、また牧師の先生の訓えも、なんとなく胸の奥に刻まれているのですから不思議なものですね。
 
そしてあの日々の体験に、大人になった今こそ、あたたかく見守られ、助けられているような気もしています。
 
リースのかたちは始まりも終わりもない「永遠、恒常性」の象徴。そしてこのアドベントリースは、イエスの降誕を待ち望むこの時期の喜びと信仰のシンボルです。そんな意味も、あらためて思い出しつつ、感謝を重ねながら、これからの季節、おだやかに過ごしていきたいと思います。
 
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