6月
クチナシ 花言葉「私は幸せ」

6月に入り、いよいよ東京も梅雨が始まりました。
「入梅」とは、「梅の実が熟す頃に雨が始まる」という自然のリズムを重んじる日本の文化が色濃く反映されています。具体的には、梅の実が色づき、収穫の時期を迎える頃に、雨が多く降る季節(梅雨)に入るという観察から来ていると考えられています。
「梅雨」も「梅(うめ)雨(あめ)」と書きますが、この「梅」も、梅の木の成長と自然現象のタイミングが重なったことから生まれた言葉です。ご家庭でも、夢種や梅干しなどといった、梅しごとを始める時期でもありますね。
さて梅雨の季節、外を歩くと、街中に色とりどりの紫陽花やクチナシがひっそりと顔を出し、まるで梅雨の訪れを告げるかのように咲いています。
少し雨が降っても、そんな花々を見ながら街を歩くのは、心が落ち着くひとときです。雨の中で色鮮やかに咲く紫陽花は、どこか幻想的で、街を歩きながら写真に収めたくなる美しさがありますし、クチナシの花は、その甘い香りが静かな街並みに広がり、それはまるで梅雨の空気が柔らかな布で包まれていくかのような、不思議な感覚をおぼえます。
クチナシの花言葉は「私は幸せ」。とっぷりとした乳白色の花も美しく、贈り物としたいところですが、切り花には向かないのが残念。けれど雨の中でこそ、その香りを楽しむことができますから、もし傘の向こうの甘い香りに気づいたら、立ち止まって深呼吸してみてくださいね。
今日もいちりんあなたにどうぞ。





