ジェームズ・M・バリー『小牧師』

歳をとることは嫌なこと、なのかもしれない。まず体力は落ちるし、偏見も強くなる。優越感にとらわれる、忘れっぽくなる、気は頑固になる、くせに肌はたるむ。笑でも、そういうもの、と思いたい。反してよい点も、ないわけではないから。...

嘘も方便といいますが、これは相手のためにつく嘘というのが本来。決して自分が優位になるためのものではなく、相手への配慮の表れとして使われます。言葉の由来はいくつかあり、一つには「うそ」は仏教用語の「有相(うそう)」が語源との説。この「有相」は形のあるもの、対して形の無いものは「無相(仏の悟り)」をいいます。つまり形の無い仏の悟りを人々が理解しやすくするために、言葉や絵画など形あるもので伝えようとするのが「有相」。なるほど相手のために慮る、というニュアンスが汲み取れるようです。相手のための嘘、ときいて思い出すのは1997年公開のイタリア映画「ライフ イズ ビューティフル」です。ユダヤ人捕虜収容所に入れられた主人公は、過酷な状況の中、息子のジョズエが少しでも楽しく過ごせるようにと明るく振る舞い、ユーモアを交えながら命がけで嘘をつきます。「さあ、ゲームの始まりだ。お前は1000ポイント貯めなきゃいけない。もし1000ポイント貯めたら、大砲のついた戦車を家に持って帰れるんだよ。」「僕たちは1000ポイント貯めたんだ。だからゲームに勝ったんだよ!ダディと僕は一等賞になったんだ。だから本物の戦車をもらったんだ。勝ったんだ!」「これが私の物語。父が命をかけて私にくれた贈り物。」嘘とは相手のためにあるという真実を心に刻んでくれた名作です。今日もいちりんあなたにどうぞ。トルコキキョウ 花言葉「あなたを想う」

嘘も方便といいますが、これは相手のためにつく嘘というのが本来。決して自分が優位になるためのものではなく、相手への配慮の表れとして使われます。言葉の由来はいくつかあり、一つには「うそ」は仏教用語の「有相(うそう)」が語源と...

今日4月20日は穀雨。二十四節気の一つで、穀物の種や芽を潤す雨が降る時季のこと。この頃の暖かい雨には田畑の作物も育ち、野山にも緑が増してくよ、というお天道様のお知らせです。「雨は花の父母」という言葉があります。春の雨は草木を育て花を咲かせるから花の父母のようなもの、どんな花にも草木にも公平に降り注ぐ、なんて意味。季も名残り、今日の雨がいとしく思える言葉です。今日もいちりんあなたにどうぞ。本読むは微酔のごとく穀雨かな-鳥居おさむホタルブクロ 花言葉「忠実」

今日4月20日は穀雨。二十四節気の一つで、穀物の種や芽を潤す雨が降る時季のこと。この頃の暖かい雨には田畑の作物も育ち、野山にも緑が増してくよ、というお天道様のお知らせです。「雨は花の父母」という言葉があります。春の雨は草...

“私は、「各人が〝美しい〟と感じたそのことが、各人の知る〝美しさ〟の基礎となるべきだ」と考えていて、「〝美しさ〟とは、各人がそれぞれに創り上げるべきものだ」と考えています。““「美しさが感動を呼んだ」は、いたってありふれたフレーズです。ところが、その「美しさ」を「美しい」と理解しない人にとっては、この説明がとんでもないものになります。「美しさが感動を呼んだ」とは、「なんだかわけの分からないものが、なんだかわけの分からない事態を惹き起こした」でしかないからです。“以上、橋本治著 『人はなぜ「美しいがわかるのか」』よりの抜粋です。たまたま手にした本ですが、これを読み、またして小林秀雄の言葉を思い出しました。「美しい」とは何か。ここまでくると、どうもこれは私にとって、生涯不朽のテーマになりそうです。今日もいちりんあなたにどうぞ。美しい「花」がある、「花」の美しさという様なものはない。 -小林秀雄『当麻』よりサンカヨウ 花言葉「幸せ」

“私は、「各人が〝美しい〟と感じたそのことが、各人の知る〝美しさ〟の基礎となるべきだ」と考えていて、「〝美しさ〟とは、各人がそれぞれに創り上げるべきものだ」と考えています。““「美しさが感動を呼んだ」は、いたってありふれ...

人生100年時代。とりあえず億劫がらずに、そして誇大な期待も抱かずに、あとは「そういうものだ」と生きていくのがいいよな気がしてます。と頭でわかっても、なかなか実際には実感抱けないのも現実です。なんせ振り返ったところで、大体そんなピッタリきれいになんて生きてこれなかったから。ただ救いは、だからお陰で楽しかった、と思えること。つまりこれからも、きっと楽しい日々じゃないかしら、と思えること。今までがそうであったように、これからも変われない中にも、私たちなりの楽しみや価値を見つけ掴んでいけるんじゃないかしらって、思えること。なんとなくだけど、きっとあなたもそうよ、大丈夫。今日もいちりんあなたにどうぞ。あれこれ忙しくしているうちに過ぎていくもの。
それが人生なんだ。-ジョン・レノンハナミズキ 花言葉「私の気持ちを受け止めて」

人生100年時代。とりあえず億劫がらずに、そして誇大な期待も抱かずに、あとは「そういうものだ」と生きていくのがいいよな気がしてます。と頭でわかっても、なかなか実際には実感抱けないのも現実です。なんせ振り返ったところで、大...

このたび、アカウントの写真を「私」にしました。違和感を感じられた方もいるかと思います。失礼いたしました。コメントを寄せてくださった皆様、いつも暖かく見守ってくださり、日々本当に感謝しています。この秋、年齢的にも節目を迎えるに先立ち、なんとなく気持ちが動き始めたことを感じています。合わせて、やっと不惑どころか惑惑だった(笑)この代を終え、次に進めることに心身の賑わいを感じるこの頃です。こんな気持ちになれたのも、出逢いに恵まれ、厳しく励まされ、暖かく見守っていただいたおかげです。深く愛されるとき、人は強くなれる。本当にそうだと思う。いつもありがとうございます。感謝をこめて、今日もいちりんあなたにどうぞ。深く愛されるとき、あなたは強くなり深く愛するとき、あなたは勇気を獲得する-老子ダリア 花言葉「感謝」

このたび、アカウントの写真を「私」にしました。違和感を感じられた方もいるかと思います。失礼いたしました。コメントを寄せてくださった皆様、いつも暖かく見守ってくださり、日々本当に感謝しています。この秋、年齢的にも節目を迎え...

思わず「わかる」と発したと同時に「わかってない」と先の安易な同調を否定する自分がいつもいます。なぜなら9割の「わかる」の粒度より、1割の「わかってない」のほうが、自分の手の甲を滑り落ちる流砂のように直感になじむからです。「わかる」って何でしょう。発見してわかる。直感的にわかる。法則を知ってわかる。まとまるとわかる。積み重ねてわかる。浅くわかる。深くわかる。いろいろあるけれどつまり「わかる」とは、どういうことでしょう。今日もいちりんあなたにどうぞ。人生は、経験しなければ理解できない教訓の連続である。-ラルフ・ワルド・エマーソンブルースター 花言葉「信じあう心」

思わず「わかる」と発したと同時に「わかってない」と先の安易な同調を否定する自分がいつもいます。なぜなら9割の「わかる」の粒度より、1割の「わかってない」のほうが、自分の手の甲を滑り落ちる流砂のように直感になじむからです。...

江戸時代、時代の転換期に富貴を求めることなく、心豊かに生きたという歌人、橘 曙覧(たちばなあけみ)。「たのしみは」ではじまる一連の短歌が収められた『独楽吟』は、現代の不安を抱く人たちの彷徨う心を癒す力があるとして知られてるそうです。たしかに眺めているだけで気持ちが和む歌は多くあり、数えて52首あるのですが、つまり週に一首たしなめば、一年たのしく過ごせたりして。五つほど抜粋してみます。あなたはどれが好きかしら。今日もいちりんあなたにどうぞ。たのしみは物識人(ものしりびと)に稀にあひて古(いに)しへ今を語りあふときたのしみはとぼしきまゝに人集め酒飲め物を食へといふ時 たのしみは草のいほりの筵(むしろ)敷(しき)ひとりこゝろを靜めをるとき

たのしみはすびつのもとにうち倒れゆすり起(おこ)すも知らで寝し時たのしみは朝おきいでゝ昨日まで無(なか)りし花の咲ける見る時『獨樂吟』橘  曙覧オオイヌノフグリ 花言葉「信頼」

江戸時代、時代の転換期に富貴を求めることなく、心豊かに生きたという歌人、橘 曙覧(たちばなあけみ)。「たのしみは」ではじまる一連の短歌が収められた『独楽吟』は、現代の不安を抱く人たちの彷徨う心を癒す力があるとして知られて...

一月の梅にはじまり三月桜までは、次々に花が咲くたび「春よこい」「春がきた」と嬉々に感じたものでした。その後の八重桜、ハナミズキ、ツツジ、藤までくると、開花のたびに「春がゆく」と憂い感じたもので、あれもひとつの春愁と言えるのでしょう。まもなく迎える五月は、晩春と初夏が行き交う天気が続くことから「二季の交差点」というそうです。今はまだ四月ですが、そうと聞くとこの頃の暮れそうで暮れない夕暮れも、なんだか春惜しむ人の愁いが行き戻りする、交差点のようにも思えます。今日もいちりんあなたにどうぞ。春愁や葉ごもり椿ひそと落つ -日野草城ツバキ 花言葉「謙虚」

一月の梅にはじまり三月桜までは、次々に花が咲くたび「春よこい」「春がきた」と嬉々に感じたものでした。その後の八重桜、ハナミズキ、ツツジ、藤までくると、開花のたびに「春がゆく」と憂い感じたもので、あれもひとつの春愁と言える...