5月
花水木(ハナミズキ)花言葉「永続する愛」「返礼の心」

空に向かって掌を差し出すように、花を咲かせるハナミズキの花。
花びらのように見える部分は、正確には「総苞(そうほう)」と呼ばれる葉が変化したもので、中心にある小さな本当の花を包み込むように咲いています。
薄紅や白、そして淡い緑を帯びた色合いは、初夏の光を受けてやわらかに輝き、その姿は華やかすぎることはなく、景色にそっと溶け込むような佇まい。それもこの花の魅力のひとつです。
花言葉は「永続する愛」「返礼の心」。
曲名になったことで、広く知られることになった花でもあります。誰かからの思いやりや支えに対して、言葉だけでは伝えきれない感謝を届けたいとき、この花を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。みればまるで、何かを受け取ったあとの「ありがとう」を、形にしてくれるような花姿にも映ります。
そういえば、北アメリカ原産のハナミズキは、日本には大正時代、アメリカから贈られた桜の返礼として届けられたという歴史があります。そうした背景を思うと、「返礼の心」という花言葉にも、いっそう深みが感じられますね。
身近には、街路樹として植えられていることも多く、日常のなかでふと目にする機会がある花です。
忙しい日々の中で、ふと見上げた空に咲くハナミズキに出会うと、わずかな時間でも心が緩みます。まっすぐに空を向くその姿に、背筋を伸ばされるような気持ちになることも。
季節は少し過ぎてしまったけれど、大切な誰かのことを思うときには、この花を思い出してみてください。胸の内に忘れていた「ありがとう」に、気づくかもしれません。
今日もいちりんあなたにどうぞ。
