8月

日本には月と恋を共に詠んだ歌が多くあり、例えば西行の歌にも、花の歌に並び、月の歌が多く残されています。日の下で笑う花が陽ならば、夜を照らす月は陰。祝賀に色を添...

風に秋。朝夕の頬をなでる空気に、ひやんとした心地良さを覚えるようになりました。北の国では、暦に逆らうことなく、お盆が過ぎればもう秋なのだそう。つくづく日本って...

残暑の中に咲く、百日紅がとてもきれいです。「百日紅」と書いて「さるすべり」。「ひゃくじつこう」とも呼びます。その名の通り、7月の初めから晩夏まで、百日にもわた...

「青天白日」とは太陽が輝き、よく晴れわたった日和の事。転じて、心にやましいことがなく、少しの疑いや隠し事もないことを言います。「空色のゆりいす」という童話を...

ケもハレも無く、何でもゆきすぎて過ごしていると、かえって未練が残り、けじめがつかなくなるのを感じますがどうでしょうか。お花も同じだと思います。チューリップは春...

かつて日本が極限まで疲弊していた時代、ひとは、これからはより人間が大切にされる世の中になるように、豊かさや美しさを求め奔走しました。いま私達にとって美しさの基...

りんどうは桔梗と共に、秋を飾る代表的な花です。その色は、秋の空を形容するにふさわしい、ただの青よりももっと深く、もっとしみ込むような神秘さを感じさせます。そ...

君や来む我や行かむの十六夜に槙の板戸もささず寝にけり昨晩は十六夜（いざよい）。「いざよう」とは「ためらう」の意味があり、満月の翌晩は、月の出がやや遅くなり「...

秋になると久々に小津安二郎の映画もいいなと思うことがあります。代名詞ともいえるカメラのローポジション、徹底した構成美、独特のセリフ回しなど、今なお語り継がれる...

くれなゐの　薔薇のかさねの唇に　霊の香のなき歌のせますな　与謝野晶子毎日のように台風の被害が聴こえてくるきょうびです。こんなに強い風が吹き荒れているというの...