花以想の記

「僕はこんなにきれいなのに、どうして誰にも好きになってもらえないんだろう？」虹色に輝くうろこをもった、世界でいちばん美しい魚は、その美しさゆえにプライドが高く...

人が心に思うことを他人に「伝える」には様々な方法があります。嬉しい事を身振りに表したり、悲しい事を顔つきで知らせたり、怒りを拳に込めることもあるでしょう。喜び...

白いユリは聖母マリアの復活の花。白い花弁は彼女の身体を、おしべの黄色い葯は彼女の魂を意味します。キリスト教の伝説では、イヴがエデンの園を去る時に流した、後悔の...

先日マーカス・フィスターの「にじいろのさかな」にふれた際、頂いたコメントにあったオスカー・ワイルドの「幸福の王子」。たしかあれも子供向けの短編小説らしからぬ、...

立冬をむかえました。いよいよ植物も「血のさしひき」を感じる頃、色が消える冬にむけ、名残りの花によせる心もひとしおです。枯れてもすげても今ぞとばかり、照りにこた...

今年も残すところ52日。一年には53回の日曜日があり、ときに52回の年もあります。毎年年始「52回の楽しみを予定する」という手に届きそうで届かない一年の計を誓...

パンジーはフランス語のパンセ（もの思い）が語源。三色すみれとも言いますが、古く聖職者にとってのそれは、三位一体（父と子と聖霊）の花であり、ゆえにトリニティとい...

大人になると、身の回りにおくモノ、必要と思うものも、次第に限られてきて、よってモノを選ぶ楽しみが増すように思います。使うたびに好きと思えるものを、ひとつひとつ...

椿を待つ頃になりました。まもなくその季節がやってくると思うだけで、すげない冷たさも、しんみりした思いも、ぐっと我慢がきくというものです。冬の花には厳寒の中で咲...

ものみな色が消えて黄昏れゆく季節です。深秋の澄んだ空気の中で色を籠めた草の実、木の実のあの艶やかな色は、鳥たちに自分達の存在を知らせ、その命のしるべを託すことで...