ふれあい

ひとの眼に見えるものは、ひとの眼に見えない気持ちに触れている。ひとの耳に聞こえることは、ひとの耳に届かない気持ちに触れいる。と考えてみてはどうかしら。お互いの心が触れあうまえに。今日もいちりんあなたにどうぞ。 朝目覚めた...

春夜

「春の月夜の美しさ、この宵が授けるひとときには、まったく千金にも変えがたい趣きがあります。花は清らかに香り立ち、月は朧にかすみ、高殿から聞こえた歌声、管弦の音は、先ほどまでのにぎわいも過ぎて、今はかぼそく流れるばかり。中...

春雨

絹糸のようにしらしらと、降るとも見えぬ春の雨。そろそろ止んでもいいんじゃないかしらと思うのに、今朝もまだまだ降っています。けれどこうして木々を濡らし、蕾をほぐして恵みをそそいで、この雨があがればまた、春が数歩進んでいるの...

春分の日に

春分の日を迎えました。東京の空は隙間なく曇りきり、雨は折々に降っています。今日は十二月ほどの冷たさ、明日には四月の暖かさになるそう。三寒四温が続きますね。皆さまお身体には気をつけていらしてくださいね。 冬の名残りを頬にう...

桜 岡本かの子

欲望に抗うことなく恋愛に生きた、岡本かの子の奇妙な私生活。近年では小説や舞台にもなりましたので知られるところですが、歌人としては、おんな夏目漱石と評されるほどの天才歌人でした。 かの子の作品に、百三十八首の桜を歌った歌集...

太陽の塔 再生

芸術家 岡本太郎が手がけた太陽の塔が、48年ぶりに内部公開とのこと。この鮮やかな再生に、胸を躍らせているひとりです。 外観にある黄金の顔・太陽の顔・黒い太陽は、過去・現在・未来をつらぬくエネルギーの象徴。内部には人間の精...

いつか

都会暮らしが長くなった今、田舎で育ったあの頃の、野原や山の中で摘み草をした経験は、もう一生忘れることはないのだろうと、春が廻ってくるたびに思い出しては嬉しくなります。 山の中で探したゼンマイのこと、野原で探しあてた土筆や...

何気ないこと

身のまわりの何でもないことに丁寧に向き合うこと、ユーモアある視点をもち、想像をふくらませてみること。そんな何気ないことへ心をかけることの大切さ、深く考えることの楽しさを教えてくれたのは、ロバート・フルガム氏の著書でした。...

さいわい

古い時代、日本人は、花が咲き満ちた状態を目に浮かべ、それを「さいわい」と表現したのだそうです。心の中に花が咲きあふれているように感じることが、古代の日本人にとって幸福観の証であったという、かつて見つけた記述を、桜の蕾を見...