9月 新秋の記 新秋の記木下夕爾台所の片隅から吹いてくるあの風ももう秋だ白い皿の新豆腐のようにおどろきやすいこころよ裏の林にきてしばらく夕焼をながめている川瀬の音秋風の音子ども... 2024/09/02
8月 八月みそか 秋かぜにふさはしき名をまゐらせむそぞろ心の乱れ髪の君 与謝野鉄幹こちらはひとまず雨は上がり、遠くみやれば重たげな雲がたちこめており、夏とも秋ともいい得ぬ、ゆきあ... 2024/08/31
8月 野分のあした 昔は台風を「野分」と呼んだことは以前にも触れました。『源氏物語』の巻にも「野分」があり、『枕草子』には「野分のわきのまたの日こそ いみじうあはれにをかしけれ」と... 2024/08/30
8月 月下美人 木造の古風な洋館の広い応接間で、テエブルよ片寄せて、まんなかに円い台を出し、月下美人の鉢植えがのせてあった。植木鉢は夫人の膝より低かったが、月下美人は、やや見あ... 2024/08/29
8月 忘れ扇と扇風機 忘れ物 扇一本と停車場 正岡子規 今朝ほどニュースを見ていたら、この夏、都内の電車内で見つかった忘れ物の数が、過去最大数になったとのこと。中でも最も多いのは「ワ... 2024/08/28
8月 くすぐりの木 夏の始まりから秋の入り口まで咲き、その花期の長さから「百日紅」とも書くサルスベリ。枝先に、縮れたレースを集めたような小花が群がって咲きますが、この木の肌を指先で... 2024/08/26
8月 柘榴と良寛 掻きて食べ 摘み裂いて食べ 割りて食べさてその後は 口もはなたず良寛「爪で掻いて食べ、指先でつまんで裂いて食べ、手で割って食べ、その後は、口もあけずにモグモグと... 2024/08/25
8月 夏の終いの凌霄花 魔のなかの睡魔はやさし青葉木菟凌霄花のほたほたほたりほたえ死のうぜんの曼陀羅覆へわが柩-文挾夫佐恵凌霄花のほたほたほたり。この「ほたえる」とは、「ふざける、じゃ... 2024/08/24