菊 花言葉「信頼」「高貴」「高潔」「高尚」

更新日:2025.09.10 公開日:2025.09.10

春華秋菊笑我向
暁月朝風洗情塵

春の華、秋の菊が、私に向かって笑いかける。
暁の月、朝の風が、心の塵を洗う。

これは弘法大師(空海)が残した言葉。空海はただ宗教者としての教えを説いただけではなく、自然の呼吸を詩として汲み取り、心の浄化を言葉に結晶させました。その表現は、自然と人の心が響き合い、共に生きる喜びを静かに伝えてくれます。「心の塵を洗う」だなんて、まさしく空海は詩人です。

さて昨日9日は重陽の節句でした。日本では「菊の節句」として五節句のひとつに数えられます。

日本で菊といえば、皇室紋章の花であり、昔から冠婚葬祭に用いられるなど、日本の生活文化においては欠かせない花。しかしながら弔事(葬)に使う花としてのイメージも根強く、いまだ忌み嫌われる側面があることは残念です。

旧暦では九月は「菊月」とも呼びました。日本の秋を語る上でも、菊は欠かすことができない花のひとつ。ではありますが、今やこの残暑、花の出番は遅れるばかりです。せめて今日はこれを機に、あなたの手にもわたったら、きっと花も喜ぶでしょう。今日もいちりんあなたにどうぞ。