11月
十一月みそか

.
晩秋哀語
萩原朔太郎
ああ秋も暮れゆく
このままに
故郷にて朽つる我にてはよもあらじ
草の根を噛みつつゆくも
のどの渇きをこらへんためぞ
畠より疲れて歸り
停車場の裏手なる
便所のほとりにたたずめり
日はシグナルにうす赤く
今日の晝餉に何をたうべむ
(故郷前橋にて)
.
.
十一月みそかになりました。出会いに恵まれた十一月、花に恵まれ人に恵まれ、やっと自分を取り戻したような、平安に恵まれたひと月でした。
振り返りたい事はあります。けれどいまは一旦、遠く離れた日々は空に預けます。あとひと月しかないのだもの。出来ることを出来る限り、やり切りたい。今日もいちりんあなたにどうぞ。
カラスウリ 花言葉「よき便り」

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。