6月
君を夏の日にたとえようか

君を夏の日にたとえようか。
君の方がずっと美しく、おだやかだけど。
荒々しい風は五月のいじらしい蕾をいじめ、
そして夏はあっという間に去っていく。
天なる瞳はあまりに暑く輝き、
かと思えば、その黄金の顔もしばしば曇る。どんなに美しいものも、やがては萎み衰える。
偶然や自然の成りゆきの中で消えてゆく。
だが君の永遠の夏は色あせたりしない、
もちろん君の美しさはいつまでも君のものだ。それを死神に、君がその影の中で彷徨ってるなんて
自慢話なぞ、させてなるものか。
永遠の詩にうたわれて、君は時そのものへと熟すのだ。ひとが息をし、目がものを見るかぎり、
この詩が生き、君に命を与え続けるかぎり。ウィリアム・シェイクスピア「ソネット18番」
言葉によって美を追い求め続けた詩人より、今年も夏の便りです。
今日もいちりんあなたにどうぞ。
ローズマリー 花言葉「変わらぬ愛」

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2002年創業 フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」する仕事です。
https://www.hanaimo.com/
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。