12月
みたまのふゆ

星に届くように手を伸ばすと、あまりにも多くの場合、人は足元にある花を忘れる
-ジェレミ・ベンサム
「恩頼」と書いて「みたまのふゆ」。神様から頂く恵みのことです。「みたま」は神や天皇の御魂を、「ふゆ」は震え、揺れ動くことを意味します。
この言葉は、古代の人々が日々の暮らしの中で、常に神様や誰かからの恩恵を受け取り、またそのたびに魂や心を震わせてきたことを表しています。また恩恵を与える神様も、私たちと同じように魂を揺り動かしながら、幸せや恵みを授けているといいます。
このように「みたまのふゆ」という言葉には、神と魂が呼応するという信仰、そして生命をめぐる古代人の精神性や世界観が息づいています。
その深みと響きには、今なお心を惹きつける面白さがありますね。
そういえば冬の語源は「冷ゆ」とも「振ゆ」とも言われますね。厳しい寒さの中、自然の恵みや人から受ける恩に、心を振るわす季節です。
今日もいちりんあなたにどうぞ。
ポインセチア 花言葉「祝福」「聖夜」「幸運を祈る」「私の心は燃えている」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。