5月
カーネーション 花言葉「感謝」「尊敬」

母の日に贈る花、「ありがとう」を伝えるために、
言葉より先に手に取られることの多い花 -それがカーネーションです。
カーネーションの歴史は、古代ギリシャ・ローマ時代にまでさかのぼります。
その学名 Dianthus は、ギリシャ語の「dios(神)」と
「anthos(花)」に由来し、「神の花」とも訳されます。
美しく気品ある姿から、神々に捧げる花とされていました。
中世ヨーロッパでは、冠婚葬祭や宗教儀式の中で多く用いられ、
やがて「愛」や「尊敬」の象徴として知られるようになっていきます。
そのような背景から、カーネーションの花言葉は「感謝」「尊敬」などがあります。
なかでも赤は「母への愛」、ピンクは「感謝」、白は「亡き母を偲ぶ」という意味をもち、
それぞれの想いに寄り添う花色として受け継がれてきました。
ふわりと波打つ花びらは、まるで優しく包み込む手のひらのよう。
一輪でも、花束でも、どんな形でも気持ちを丁寧に届けてくれます。
そしてそれは時代を越えて、母への感謝、恋人への想い、
友への敬意を、言葉では届かない場所へと運んできた花なのです。

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。