3月
二十四節気「啓蟄」
木々たちが「冬はまだ庭にいる、
まだ雪が降っている」と言おうとも、
春はいる、私の心の中に春はいる。
-イワン・ヴァーゾフ
今日は二十四節気の「啓蟄」。
春の暖かさを感じた虫たちが
冬ごもりから外に這い出てくる
そんな時期になったよ、という知らせです。
「啓」には、ひらく、開放する
夜が明けるなどの意味があります。そして
「蟄」は冬の間、地中に閉じこもっている虫のこと。
この「蟄」の字、よくみると
「幸・丸・虫」とあるんですよね。
冬の間、丸くなっていた虫たちが
ようやく訪れた春の暖かさに喜びを隠せずに這い出てきた。
なんてこんな字を、誰が思いついたんでしょうね。
きっと子供のような朗らかな
無邪気な心のある人だったんでしょう。
大人こそ、そんな気持ちを忘れてはならないよ、と
心啓かせてくれる日にも思えます。
二十四節気、啓蟄(けいちつ)
今日もいちりんあなたにどうぞ。

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。