2月
パンジー 花言葉「私を想って」
こんな古い花物語があります。
むかし昔は菫のようにパンジーも
野原に自生していた頃がありました。
しかし香り麗しいパンジーを
血まなこになって探し続けた人間の熱狂は
悲しいことに野原の破壊をもたらします。
そんな様子を見たパンジーは
三位一体の神(trinity)にこう願いました。
「どうかこれ以上
人間に探されることがないように
この香りを取り除いてください」
それ以降、パンジーは香りを失いました。
しかし香りはなくともその愛らしさは
この花独自の魅力です。
またパンジーは昔から象徴的に語られる花で
「三位一体」の象徴とされたり
思惑を意味する花であったり
恋の花ともされています。
シェイクスピアの作品にも
たびたび登場する花ですが
もしも現代にシェイクスピアがいて
より愛らしさを増した
現代のパンジーをみたら
ハムレットにどんな台詞を与えるかしら。
今日もいちりんあなたにどうぞ。

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。