1月
寒雷に雪に

海にふる雪は、海になる。
街にふる雪は、泥になる。
山にふる雪は、雪でいる。
空にまだいる雪、
どォれがお好き。
「雪に」 金子みすゞ
昨日の寒雷には驚きました。瞬く間に外は暗くなり、みてれば雲は低く垂れこめて、急に雨。
雷鳴におどろき、こんどは破れた空から、雪がばらばら落ちてくる。不本意に、なんて年明けかと、また口についてでました。
雷は夏のものにみえて、一度二度は冬にも鳴るらしい。そう聞くと、昨日の雷は私にとって、冬の初めてだったような気がします。
空から降りるものは天からの授かりもの。なんて、冬になるたび思い出し、全くだなあと感じ入ったもの。しかし昨日の雪は、まるで剥がれた土壁のぼろにも見えて、なんだかなあと眺めました。
雪を美化してばかりいられないのも、この厳寒の季感でしょうか。今年ばかりでしょうか。寒雷に雪に。今日もいちりんあなたにどうぞ。
カスミソウ 花言葉「無垢」

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。