12月
雪中松柏

聖夜が過ぎればさっそく一年の鎮めに忙しなく、植物もクリスマスに飾ったツリーから、歳神様を迎える松へ。
自然の厳しさに耐え抜く強さと美しさを象徴する冬の木々、その佇まいには、新年を迎えるにふさわしい品格と力強さがみなぎります。
正月飾りにも使われる松は、色の少ない冬景色の中でも青々とした緑色を保つことから、昔から不変の健康や長寿の象徴とされてきました。
また柏は、冬になっても葉を落とさず、春に新芽が出てから落葉するので、先日の楪(ゆずりは)同様に「子孫繁栄」を意味します。
この寒さの中でも緑を変えぬ松や柏の葉のように、時代の流れに変化があっても、志を変えぬ人のことを「雪中松柏」といいます。
年末多忙短日、とりあえず、この四字をみるだけでも鈍った心が引き締まるような思いがして、残りの5日間にむけて自分に掲げた言葉です。あと5日、はやいなあ。今日もいちりんあなたにどうぞ。
マツ 花言葉「不老長寿」

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。