立冬

冬の気立ち初めて、いよいよ冷ゆればなり。
立冬をむかえました。暦の上の冬はこの日にはじまります。
立冬の声をきくと、いよいよ北の寒気に立ち向かう思いが強まるのですが、今年は冬?と聞き返したくなるよな暖かさ。
この時期の暖かは6月ごろに似てることから「小六月」ともいいますけれど、それにしても今年は、小春の概念さえも変えてしまうんではないか、なんて思うほど。
とはいえ立冬をすぎれば少しずつに日は短く詰まってき、明るいあいだの忙しなさも益々と極まってき、せかされるように毎日はすぎてゆく。
ひとつくらい、この季節の醍醐味にとっぷり浸かりたい、とは毎年思うのですが、とっぷり、なんて言ってる間に日が暮れるのですから、かないません。
おかげで、季節のうつり変わりを探して歩くことが、すっかり習慣になりました。そこに、伝えたくなる人がいるというのは大きなことです。
必ずしも嬉しいことばかりでは生きていない毎日に、小さな喜びを分かち合える人がいることの安堵、ささやかな発見をも一緒に見つめてくれる人がいる喜びは、会えないことへの寂しさよりも、まるで一緒にいるよな親しみを大きくしてくれます。
きっと、まなざしを感じるとは、こんなつながりの感覚をいうのでしょう。
いつもありがとうございます。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ハゼラン 花言葉「永遠にあなたのもの」

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。