10月
秋は第二の春。木の葉がみんな花になる。

紅葉と書いてモミジ、はカエデの仲間の総称です。また柿や桜などの落葉樹が赤や黄に色を変えていく様も紅葉(こうよう)する、といいますね。
赤色を紅葉、黄色も黄葉(こうよう)、褐色は褐葉(かつよう)と呼び、さらに美しい葉なら、柏紅葉、漆紅葉などと、木の名前を付けて「名木紅葉(なのきもみじ)」ともいいます。

今年もきっとみじかい秋でしょう、雑木の色の美しさを、ぼんやり眺めるなんてありません。葉一枚一枚の艶やかな染め上がりも、朽ちにいる前の野趣味も、傷がいっても破れでも、かまわず目の奥にしまいたくなります。じゃじゃっと雑と分かっていても、むやみにでも納めたくなるのが、秋の景色ではないかしら。
むかしある外国人が「日本人は木の葉も花とみる」といったそう。秋は第二の春。木の葉がみんな花になる。ってほんとそう。もし今も変わらぬなら、日本に生まれ育ってよかったと思う。この感性をうれしく思います。今日もよい一日を。

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。