10月
槿花一生の夢「朝顔の君」源氏物語

源氏物語に登場する朝顔の君は、源氏が若い頃から熱をあげていたとされる女君の一人。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000052/files/5035_11652.html
源氏の求愛をうけ続けるも、これまでに源氏が惚れ込んだとされる女君たちの顛末を知るにつけ、ああはなるまいと求愛になびくことなく、清い仲を貫いたとされています。
「何年も何年もあなたを待っていた」という源氏に対し「そんなこといって、また神様に怒られますよ」と源氏の求愛をあっさりかわす朝顔。そんなつれない態度がまた、忘れられない恋にさせたんでしょう。
朝顔は槿の古称とされています。槿花一朝の夢といいますが、源氏にとって朝顔は一生の夢、と言えたかもしれませんね。今日もいちりんあなたにどうぞ。
見しをりのつゆ忘られぬ朝顔の
花の盛りは過ぎやしぬらむ(昔拝見した貴女がどうしても忘れられません、朝顔の花は盛りを過ぎてしまったのでしょうか)
みづからはあるかなきかのあさがほと
言ひなす人の忘られぬかな
与謝野晶子
アサガオ青 花言葉「儚い恋」

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。