10月
信号の青を忘れて白粉花

白粉花。わりと誰しも子どもの頃から知っている花のひとつと思います。
こぼれ種からでも増えるような花だから、私の育った町にも季節になれば、通学路や公園やそのへん何処にでも咲いていました。
最近は、そうした自由気儘な花も見なくなったなと、東京は地べたが少ないからなと、せいにしていたのですが、それは単に自転車に乗るようになったからで、いらい歩くようになって気づいた花はいくつもです。
同じ道の上でも朝に見ないのも、昼を過ぎて夕方から咲き出す花だったから。
先日この赤い花を見て、そういえば学校帰りのさいごの止まれの角にもあったこと、西日にまぶしい満開を、懐かしく思い出しました。今日もいちりんあなたにどうぞ。
信号の青を忘れて白粉花
咲子於
オシロイバナ 花言葉「内気」

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。