10月
あかまんま

薄紅色のつぶつぶを、ごはんに見立てたままごと遊びが、そのまま異名になった、あかまんま。
あかまんまは「赤の飯(まんま)」お赤飯のこと。花の和名は犬蓼(たで)です。
いまの頃に足元をみると、います。うつむき加減に穂をたらし、優しいピンクはいじらしく、いた、またいたと路傍の花を見つけながら歩くのも楽しい。
それにしても、10月に見る自然は私たちを振り向かせずにはおかない。こんな小さな花でさえ、日々の忙しさにまぎれて外に目を向けなくなっていたことに気づかせてくれる。
急ぎ足に気づく、心の張りに気づく、ぼんやりしていたと気づく。秋の花は見つけるたびに、気づかせてくれる花です。今日もいちりんあなたにどうぞ。
イヌタデ 花言葉「あなたの役に立ちたい」

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。