4月
ツバキ 花言葉「謙虚」

一月の梅にはじまり三月桜までは、次々に花が咲くたび「春よこい」「春がきた」と嬉々に感じたものでした。その後の八重桜、ハナミズキ、ツツジ、藤までくると、開花のたびに「春がゆく」と憂い感じたもので、あれもひとつの春愁と言えるのでしょう。
まもなく迎える五月は、晩春と初夏が行き交う天気が続くことから「二季の交差点」というそうです。今はまだ四月ですが、そうと聞くとこの頃の暮れそうで暮れない夕暮れも、なんだか春惜しむ人の愁いが行き戻りする、交差点のようにも思えます。今日もいちりんあなたにどうぞ。
春愁や葉ごもり椿ひそと落つ
-日野草城
ツバキ 花言葉「謙虚」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。