パンジー 花言葉「私を思って」

更新日:2025.10.02 公開日:2022.02.23
パンジー 花言葉「私を思って」

古いドイツの花物語に、パンジーの由来が語られています。むかしむかし、パンジーもスミレのように野原に自生していた頃がありました。けれど、その香りの美しさに魅了された人間たちが、血まなこになって探し求め、やがて野原を荒らしてしまいます。

その様子を見たパンジーは、三位一体の神(Trinity)に祈りました。

「どうか、これ以上人間に探されることがないように、この香りを取り除いてください」

以来、パンジーは人を惹きつける香りを失いました。しかし今に至るまで、その愛らしさと色彩は、この花独自の魅力として私たちを和ませています。


パンジーは英語で pansy、その語源はフランス語の pensée(思索・物想い) に由来します。三枚の花びらを重ねた姿が「三位一体」の象徴とされ、「思索」「想い」を意味する花として親しまれてきました。

時を経ても、パンジーは「恋の花」「物思いの花」としての意味を失っていません。香りを持たない代わりに、色や姿そのものが想いを伝える力を持ち続けているのです。


シェイクスピアの『ハムレット』第4幕第5場にも、パンジーは象徴的に登場します。オフィーリアが差し出す花々のなかに、パンジーもありました。

“…and there is pansies, that’s for thoughts.”
それから、これはパンジー、物想いのしるしよ。

思索や記憶、そして愛のしるしとして語られるパンジー。その存在は、文学や芸術においても深い意味を与えられてきました。


香りを失ってもなお、人々に想いを届ける花。パンジーは、失うことで別の輝きを得た花なのかもしれません。物想いの夜、パンジーを目にすれば、静かに心を映す鏡のように感じられることでしょう。

今日もいちりんあなたにどうぞ
パンジー 花言葉「私を思って」

古いドイツの花物語より。

むかし昔パンジーにもスミレのように野原に自生していた頃がありました。しかし香り麗しいパンジーを、血まなこになって探し続けた人間の熱狂は、悲しいことに野原の破壊をもたらします。その様子を見たパンジーは三位一体の神(trinity)に願います。

 

「どうかこれ以上、人間に探されることがないように、この香りを取り除いてください」と。以来、人を魅了する香りを失くしたパンジーですが、今では品種改良も重ねられ、香りはなくともその愛らしさは、この花独自の魅力です。そして今に至っても「三位一体」の象徴であり、思惑を意味する花であり、恋の花であることも不変ですね。物想いの夜に。今日もいちりんあなたにどうぞ。

 

“…and there is pansies, that’s for thoughts”
-Hamlet IV.v

それから、これはパンジー、物想いのしるしよ。
-ハムレット第4幕第5場

 

パンジー 花言葉「私を思って」

パンジー 花言葉「私を思って」