夏椿(ナツツバキ) 花言葉「一途な愛」「はかない美しさ」

梅雨が明け、夏の風が心地よく感じられる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。空に広がる青い空を仰ぐと同時に、降り注ぐ太陽の光線に身も心も焦がされる思いです。そんな夏の日に木陰へ入れば、静かに光る白い花がありました。「夏椿」です。
夏椿(ナツツバキ)
和名・英名:夏椿(なつつばき)/沙羅(シャラ)・Japanese stuartia
学名:Stewartia pseudocamellia
科名:ツバキ科(Theaceae)
属名:サラノキ属(Stewartia)
原産地:日本、中国、朝鮮半島
開花時期:6月~7月
夏椿は、清楚で品のある白い花を咲かせ、その花の形はまるで椿のようですが、椿とは違い、花弁は1日で散ってしまいます。そのため、しばしば「一日花」とも呼ばれます。
葉が広がり、夏の陽光をやわらかく反射するその姿は、暑い季節に涼しさをもたらしてくれます。
花言葉
- 神秘
- 愛らしさ
- 一途な愛
- はかない美しさ
花言葉の由来
夏椿の花が咲くのは、初夏のほんのわずかな期間で、その花が一日で散ってしまう儚さから、神秘的な印象を与えます。そのような花姿から付けられたのが「はかない美しさ」。
また、花の白さと優雅さから「愛らしさ」という花言葉が添えられるようになりました。
その姿勢は、静かに静謐な美しさを持ち続け、見ている人に穏やかな感動を与えることから、「愛らしさ」を象徴する花言葉がつけられたのでしょう。
沙羅双樹しろき花ちる夕風に 人の子おもふ凡下のこころ
-与謝野晶子
この季節、出会うたびにはっとさせられる白い花。そう、みればいつも夏椿。朝に開花したのち夕方には、落花してしまう一日花は、仏教の聖樹「沙羅双樹」に模され「娑羅の木」とも呼ばれます。
おなじ椿と呼ばれても、冬の椿とは風情が違いますね。たとえるなら冬の椿が正絹、夏の椿は麻とでもいうかしら。
そうみれば、まるで羅(うすもの)をきりりと着こなすお姉さんみたい。美しいですね夏の椿も。今日もいちりんあなたにどうぞ。

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。