6月
‘-西田幾多郎◎ヒルガオ

日本人にとって美しさとは何か。
かつて日本が極限まで疲弊していた時代、人はこれからは人間が大切にされる世の中になるようにと、豊かさや美しさを芸術に願い求め奔走しました。
貧しい暮らし、満たされない欲求から生まれた数々の美しい作品は、その当時の人の美意識を高めたばかりでなく、今も私たちに癒しや力を与えてくれます。
昔から日本人は、和歌に文字の美しさを、美術に絵画の美しさを、建築には余白の美しさ、景色には状況の美しさを見出してきました。庭一面の朝顔を美しく眺める人もいれば、それをすべて刈り取り、たった一輪を床の間に活けたのは千利休です。このように同じ日本人でも「美しさ」の基準は人の心の数だけ千態万様、興味深いですね。あなたにとって美しさとは何ですか。今日もいちりんあなたにどうぞ。
花が花の本性を現じたる時最も美なるが如く、
人間が人間の本性を現じたる時は美の頂点に達するものである。
-西田幾多郎
ヒルガオ 花言葉「絆」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。