1月
大寒
「小寒の氷大寒に解く」とは、物事が必ずしも思いのとおりにいかないことの喩ですが、そんな意味とはうらはらに、今日はおだやかな寒日和、二十四節気 あたたかな大寒でした。これも待てば海路の日和ありかしら、なんて。
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ともあれ、本来なら今がいちばんきびしい寒中、そして日一日と、日脚伸ぶのもこの頃です。寒い寒いと言いながらも、ひごと遅くなりゆく日暮れに気がつけば、ああまもなく、この暗い冬からも解放されるのだと、春まつ気持ちは高まります。
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そしてこの頃は、この待ち遠しくいる時間も、悪くないと思うようになりました。あたたかな日もかじかむ日も、東にのぼるを眺めては、まだかしらと思い、西の暮れを見届けては、まだかしらと思い、ながい夜も、まだかしらと思い、ただ嬉しく待つのです。今日もいちりんあなたにどうぞ。
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二人のうちどちらかがいるところには
いつも二人ともいるんだよ
As long as there is one of us there is both of us. -Ernest Miller Hemingway
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クリスマスローズ 花言葉「私を忘れないで」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。