1月
七草
あっというまに五日をすぎて、明日 一月七日は人日(じんじつ)の節句。五節句のひとつに数えられ、この日は、人を刑罰にかけてはならない日として「人の日」と記します。
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七草ですね。正月七日は若菜摘みと、古い書物にも残されている、平安の頃よりつづく新年行事ですが、人の命を尊ぶとするこの日に、七種の若菜の息吹から、生命力をあたえられようと祈りをこめるのは、偶然の重なりなのでしょうか。
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七種のうちのスズナはかぶ、スズシロはだいこん。鈴は神様をよび、それぞれの白さが穢れのなさをあらわすそう。真っ白なお粥と若菜の青に、この一年の健康を祈っていただきます。明日が仕事はじめの方も多いことでしょう。よい一年にしましょうね(^-^) 今日もいちりんあなたにどうぞ。
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春日野の若菜も君を祈らなん
たがために摘むものならなくに 紀貫之(『歌仙家集』一七三)
-春日野の若菜もあなたの長寿を祈ってほしい。だれのために摘むわけでもない、あなたのために摘むのですから。
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スイセン 花言葉「尊重」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。