10月
菊枕
万葉集に歌はなく、古今集に12首詠われているというから、菊は平安初期のころになって、日本に渡った花のようです。古くは薬としてみられてい、菊枕とは、乾燥させた菊の花ひらを詰めた枕で、それは頭痛によいとされたそう。そんな薬効はもとより、こんなきれいな花なら、見ているまにも、その痛みも、消えてなくなるんじゃないかしら、なんて。今日もいちりんあなたにどうぞ。
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菊の香の闇ふかければ眠るなり 稲垣きくの
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キク 花言葉「高尚」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。