6月
夏椿
夏椿。別名を沙羅樹(シャラノキ)というから、仏教でいう沙羅双樹と何か関係があるのかしら、と調べてみれば、名はよく似、花は別物と知りました。仏教においてその花は、二本並んだ沙羅の樹の下でお釈迦様が亡くなったことから「沙羅双樹」と呼ばれ、しかしその本種が日本では育ちにくいため、代用として植えられた夏椿に「沙羅樹」と名付けたのだそう。いずれも花は白色。花の命は一日。ここに盛者必衰の理をあらわす。そんな自分への備忘録。今日もいちりんあなたにどうぞ。
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祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす
驕れる者も久しからず ただ春の夜の夢の如し
猛き人もついには滅びぬ ひとえに風の前の塵に同じ 『平家物語』
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夏椿 花言葉「愛らしい人」
https://sohaku.jp/
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。