5月
阿吽 あ うん
阿(あ)は口をひらいて最初にでるおと、吽(うん)は口を閉じてだす最後のおと。阿吽とは、東大寺の二王のように、たがいに切り離せない一対のものを表し「阿吽の呼吸」などと使われます。なかなか自分ごとには置き換えられませんが、好きな言葉のひとつです。はじめてこの言葉を知ったのは、向田邦子の小説「あ・うん」でした。狛犬を例にされても、阿吽の理解が難しかった未熟なころの記憶。ひとつではないという価値観が、そこかしこに散りばめられた昭和庶民の物語。きっと今なら、馴染む言葉もよりある気がして、思い出したら懐かしく、再びひらいてみたくなりました。今日もいちりんあなたにどうぞ。
花ひらき、はな香る、花こぼれ、なほ薫る -森繁久弥
シラン 花言葉 「あなたを忘れない」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。