3月
春愁
日に日に暖かくなり、心うきたつ春。反面そこはかとない憂いに満ちたり、もの思いに耽るのも、この季節の通例のようです。胸の奥にあるかすかな痛み、なまりのような不安を思い出しては、胸がふさぐのを感じるこれぞ春愁。
けれどこうして静かに自分に向きあったり、想像を深める時間をもつこと、孤独と寂しさの引き換えには、なにか大切なことに気づけたり、忘れものが見つかったり、きっと悪いことばかりではないはず。と言い聞かせています。ふう。今日もいちりんあなたにどうぞ。
いにしへのクレオパトラを飾りたる
玉の色してめでたきダリア 与謝野晶子
ダリア 花言葉「感謝」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。