3月
桜 岡本かの子
欲望に抗うことなく恋愛に生きた、岡本かの子の奇妙な私生活。近年では小説や舞台にもなりましたので知られるところですが、歌人としては、おんな夏目漱石と評されるほどの天才歌人でした。
かの子の作品に、百三十八首の桜を歌った歌集があります。作られた背景には、中央公論のさくら百首という企画があったそうですが、依頼された百首を、かの子は一週間で作ってしまったのだとか。
「お母さんのそばに近づくものは、お母さんの情熱に焼きつくされずにはいなかった。」息子太郎が誇りといった、その天真爛漫な生き方を、今日は百首の花に重ねます。サクラサクラ、何度でも。今日もいちりんあなたにどうぞ。
桜ばな いのち一ぱいに咲くからに
生命をかけて わが眺めたり -岡本かの子
ソメイヨシノ 花言葉「純潔」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。