3月
暮れなずむ
日が暮れそうでなかなか暮れないそれを、暮れなずむ、といいますね。暮れなずむ街の、とはじまる歌がありましたから、その情景を眼にうかべる人は、ここにも多くいらっしゃることでしょう。
薄暮、という言葉を知りました。日暮れあとのたそがれ時をいうそう。耳にしたときは、霞や朧のように、白みがかった春の夕暮れをいうのかと思い、白と思い浮かべたのです。煩瑣なようであっても、こうしていろいろに情景を思い浮かべることのできる日本語の豊かさを、心から素晴らしいと思い、あたたかく満たされた3月の暮れです。今日もいちりんあなたにどうぞ。
さよならをしても、落胆することはないさ。
別れがあるから、また会うことができるのだから。
Don’t be dismayed at good-byes. A farewell is necessary before you can meet again. And meeting again. -Richard Bach
シモクレン 花言葉「持続性」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。